実態

無傷のまま切り裂かれる、通り魔は不在のまま、実在のない世間だ。世界はいつも無自覚で、絶やしようのない根源に、僕らは怒れないまま、食堂のコップの水垢や、そういったどうだっていいものに苛立って、そんな自分を嫌悪する。ループ。吊橋の先、地面から橋を揺らす人、安全圏は抽選だってのに、あなた、そんなに偉いんですか。