2016-01-01から1年間の記事一覧

雪の日に考える

大雪だったね。 しんしんというよりばさばさといった風情で降っていて,よりにもよって仕事に行く前にこんなに降らなくても,職場に着きさえすれば今日は中での仕事なんだから,と思いながら仕事に行ったら,ものの5分で外出することになり,地面の雪をびし…

尊いと思うこと

アメリカ合衆国ではトランプ氏が大統領になっていて,今年は本当に激変の年だなあと思いながら,ジムに行って走って,帰ってきて詩を書いていた。もうワシントンでは夜が明けている。海の向こうでは,また激動の一日が始まろうとしている一方,日経平均株価…

切り取り方なんです、世界って。

先日ダリ展に行ってきたのですが,同じく行った知人にそれぞれ一番気に入った作品を聞いてみると,みんながみんな違う作品を違う理由で選んでいて楽しい。この作品が一番胸に響いたといって見せられたグッズの絵を見て,私は全く思い出せないのも楽しい。 人…

温度のない魔法について

生きる時間のなかですれ違う人々を繋ぎとめようとする行為は、果たして自然なんだろうか。と、SNS上の顔も出会った場所も忘れてしまった“友達”を見て、思った。かと言って、“友達”から削除する積極的な理由も見当たらないので、浮かんだ疑問符は浮かんだまま…

生きるってすこしいそがしい

適度というのはむずかしい。それはおそらく、適度の度合いが人によってずれているからだ。その度合いというのは心の広さという言葉で表されるときもある。同じ行為でも、許容できる人と許容できない人がいる。だから、適度はむずかしい。それゆえ、わたした…

近づきたいものに近づきたい

朝ご飯を買いに近くのパン屋に行った。朝焼きたてのパンは,どれもこれもが魅力的だ。「私に一番合ってるのはどの子かな。一番私を幸せにするのはあの子かな。」なんて考えながら,広くはないお店の中を行ったり戻ったりして,選択肢を絞っていく。絞られた…

君の銜える煙草になりたい

研究棟の外,普段はあまり使われない非常階段が,彼の定位置だ。そしてその定位置は,私の所属する研究室の部屋の窓からとてもよく見える。 彼は,いつも同じ時間に,煙草を吸いに外に出て,雨ざらしで色褪せた階段の手すりに,気怠く身体をもたせかける。 …